別ウィンドウ問題はタブブラウザが解決する!?

使いやすさを考えてみる。(アクティブシニア・シルバー層の現場から): 別ウィンドウは何故いけないのかより、シニアにおいて別ウィンドウは何故いけないのかについて。


シニア層や初心者層をユーザーとして捉えているウェブサイトならば、やってはいけないことの一つに「別ウィンドウ」がある。

その理由
1)別ウィンドウが開いたことに気づかない
前のページに戻るボタンで戻れないことに驚愕しがち。

2)マルチウィンドウの概念がない。
ウィンドウの切り替えが出来ない。

3)×がどのウィンドウに所属しているかの概念が薄い
(以下略)

詳細はリンク先の記事を読んでもらうとして、このような場面はシニアに教える際によく遭遇する。ウインドウを複数開いたまま何かをするということが思いつかないようで、別のウインドウを開いたままほかの事をする、というのも自発的に行うことは少ない。そこまでひどくない場合でも、ウインドウを複数開いている事を忘れて慌てる、というのはよくある。

ただ、この問題もWebブラウザに関しては今後ある程度ましになるのではないかと思っている。理由はタブブラウザの一般化にある。

別ウィンドウとタブ表示の大きな違いは、「別ウィンドウ」という概念よりも「タブ」という概念が理解しやすいことにある。別ウインドウは複数開いておけることを説明する必要があるが、タブは「書類のファイルについているタブと同じですよ」で通じてしまう(実際にこれで通じた)。この違いは結構大きい。別のものを開くという場面はタブの方が想像しやすいのだ。タブは普段の生活で使っている仕組みなので、連想がしやすい。「別」ウィンドウだとこうはいかない。ウィンドウは複数作れると言う事を説明しなければならなくなる。タブであれば既存の概念で理解できるので説明を受ける側も楽なのだ。

ついでにいうと、ウィンドウ内のツールバー直下にあるタブの方が画面下部のタスクバーに目をやるよりも目に入りやすい。視野が狭くなりやすいシニアにとってはタブの方が認識しやすいのではないだろうか。

視野に入りやすいことで、タブが切り替わっていることも理解しやすいし、Firefox 2のように×がタブ上に表示されてればどのタブに×が所属しているのかも分かりやすい。説明する時に「タブを閉じる時はタブにある×を押して下さい」で済む。

そんなわけで、FirefoxIE7などの登場でタブブラウザが一般化するにつれて、別ウィンドウ問題はおそらく多少は解決していくのではないかと思っている。

追記:[ぴ] - 別ウィンドウは何故いけないのか@使いやすさを考えてみる。を読むと、タブブラウザでも動揺同様の状況は起きているらしい。ただ、Firefoxなどの場合であれば「リンクを新しいタブで開いた時、すぐにタブを切り替える」という設定をしておけば、バックグラウンドで既にタブが開かれているのにそれに気づかずリンクを何度もクリックするということは起きなくなる。

2008年5月18日追記:リンク先の記事へのトラックバックがおかしくなっているので再度通知。