Internet Explorer 7(IE7)の自動配布開始前にやっておくべき3つの作業

そろそろWindows XP向けにWindowsUpdateでの自動配布が始まると思われるInternet Explorer 7*1だが、手動で導入して不具合を引き起こしている例がかなり多いようだ。IE7は導入してみたいけど不具合は避けたい、というのが心情だろう。そこで、不具合がおきた時のために、また不具合を回避する為に、自動配布開始前には以下のような準備をしておくとよいだろう。

以下はなぜ上記の準備をしておくべきか、の理由。

1.ハードディスクのバックアップ(OSとデータのバックアップ)

IEはOSと密接な関係を持つソフトウェアであるため、過去にもアップデート時にOSの不具合を引き起こす例が何度も見られた。従って、IE自体に大幅な変更が加えられるIE7導入前にはWindows自体のバックアップを取っておく必要がある。具体的にはOSの起動ドライブであるCドライブのバックアップを取るわけだが、単純にファイルを手動コピーしても起動ドライブ全体のバックアップとはならないため、イメージファイルを作成するタイプのバックアップソフトで行う必要がある。

イメージファイルを作成するタイプのバックアップソフトとしては、Norton Ghost*2やTrue Image*3などのソフトがよい。PCメーカーによってはPC自体に専用バックアップソフトを追加している例もあるので(例:レノボIBM*4など)、そういったものがある場合にはそちらを利用することも可能である。ただし、ソフトによっては制限事項が多い場合があるので、あまりマイナーなソフトウェアは使わない方がよいと思われる。

また、起動ドライブのバックアップとは別に、それまでに自分が作成したデータもバックアップしておく必要がある。OSに不具合が起きた場合、起動ドライブをバックアップしただけでいると、イメージファイルから起動ドライブを復旧させた際にそれまでに自分が作成したデータ類を消してしまう恐れがある。そのため、それまでに自分が作成したデータ類は、CD-RやDVD、外付けハードディスクなどにコピーしておく。

2.IE以外のブラウザ(FirefoxOpera)の導入(非常時の代替手段としても使える)

IE以外のブラウザをセカンドブラウザとして導入しておくのは、IE7を導入してトラブルが起きた際に代替手段として使えるブラウザを確保しておくという意味がある。不具合の解決方法を調べるにも、ブラウザが使えないのでは調べようがないからだ。代替手段が用意されていれば、それを使って解決方法を調べる事も可能になる。また、IE7を使ってみたが気に入らなかったので別のブラウザを使いたい、という場合にも役に立つ。常用するブラウザをIE7から他のブラウザに変更したくとも、いったん不安定なIE7の環境になってからでは他のブラウザのインストーラーを手に入れる事すら難しくなることがあるからだ。ゆえに、代替手段としてのウェブブラウザはIE7導入前に導入を完了しておく必要がある。

IEに不具合が発生した場合には、代替手段として使用するウェブブラウザにはできるだけIEの悪影響を受けないものを選択する必要がある。IEコンポーネント系のウェブブラウザとしてはLunascapeSleipnirGraniなどがあるが、これらのIEコンポーネント系ウェブブラウザはIEと同じレンタリングエンジン(HTML等を表示するプログラム)を使用するため、IEに不具合が発生した場合その影響を受けやすい。それゆえに、不具合時を想定した場合の代替手段としては不適切である。

自前のレンタリングエンジンを持つウェブブラウザであればIEに起因する不具合の影響を受けにくい。ゆえに、IEに不具合が発生した場合には自前のレンタリングエンジンを持つウェブブラウザを利用するのがよいだろう。自前でレンタリングエンジンをもつブラウザとしてはMozilla Firefox*5Opera*6などがある。

3.GoogleツールバーGoogleデスクトップYahoo!ツールバーなどをアンインストール

既に手動でIE7を導入した事例をみていると、プラグイン類(GoogleツールバーGoogleデスクトップYahoo!ツールバーなど)が導入済みの環境にIE7を導入した際にエラーが発生することが多いようだ。従って、IE7導入前にはこれらのツールをアンインストールする必要がある。ただし、これらのツールをアンインストールしたからそれだけで不具合が全く起こらないとはいえないので、事前のバックアップや代替手段の導入等も忘れずに行っておく必要がある。

さて、ここまでくればIE7導入の準備は出来たも同然?である。あとはIE7の自動配布を待つだけだ。

おまけ.IE7自動配布の無効化

でも、「どうしてもIE7は導入したくない!」という人には以下のような方法がある。
IE 7自動配布の基礎知識 − @ITによると、PCが一台の場合にはレジストリをいじることでIE7の自動配布を止める方法があるようだ。具体的にはレジストリに以下のキーを作成する。

HKLM\SOFTWARE\Microsoft\Internet Explorer\Setup\7.0

ここにDoNotAllowIE70というDWORD値を作成して値を1にすると、Microsoft UpdateWindows Updateによる自動配布が抑止されるようになる。

また、マイクロソフトIE7の自動配布を無効化するツールとして、自動配布の無効化ツールキットをウェブサイトで配布している。自動配布が始まってもIE7を導入したくない場合には、上記ツールを利用することでIE6の環境を保つ事が可能になる。ただし、ツールそのものは英語版のみとなっているが、日本語環境でのツール利用は可能である。複数のPCを管理している場合には有効だろう。

@ITの記事によるとこの他にも以下のような方法もあるとの事だが、それができるくらいなら苦労しない、という人もいると思うので内容については省略。

  • IE 7のインストールが開始されたときに表示されるダイアログで、[インストールしない]ボタンをクリックするようにユーザーに指示する
  • ユーザーからローカル・コンピュータの管理者権限を奪う
  • WSUS*7などの修正プログラム管理を導入する

※上記の記事は最初に投稿した記事が気に入らずに書き直したものであるため、タイトルなど一部が変更となっている。

2007年05月13日追記

その1

非公式のユーザーサイトだが、Microsoft Internet Explorer 7 (IE7) 日本語正式版 不具合情報 FAQなどに不具合情報がまとまっているようだ。不具合を起こした場合にはそちらもみておくとよいだろう。

その2

Internet Explorer 7 の自動更新による配布が延期されたようだ*8。自動配布は第三四半期になる模様。ここの所MicrosoftUpdate絡みの不具合も出ていたので、妥当な判断といえるかもしれない。