NetscapeユーザーがWebブラウザを乗り換えた方がよい10の理由
ブログ検索やmixiの新着日記の検索で「Netscape」等をキーワードに検索してみたのだが、他のブラウザを知らないままNetscapeを使い続けている人が意外と多いようだ。あるいは使えているからそのまま使っている、といった例もあった。だが、その選択は正しいのだろうか?
結論から言うと、Netscapeユーザーは別ブラウザに乗り換えた方がよい。
以下はその理由。
- Netscapeは日本語版のバージョンアップが数年間も止まっている。
- Netscapeは日本法人が数年前に撤退している。
- Netscapeは最新版が英語版のみである。
- Netscapeは最新版がWindows版のみである。
- Netscapeはセキュリティホールの修正が遅い。
- NetscapeはFirefoxやOperaよりも重い。
- Netscapeはユーザー数がFirefoxやSafariより少ない。
- Netscapeは設定などの情報がWeb上に少ない。
- Netscapeはビジネスモデルの中心をWebブラウザ以外に変更している。
Netscapeは日本において再普及の見込みが薄い。*1
NetscapeはWebサイトの推奨ブラウザから外され始めている。
1.は日本語版においてセキュリティ周りのアップデートがなされていないことを意味している。
2.は日本法人によるサポートがないことを意味している。
また、2.や3.は日本語版でのアップデートがおそらく再開されないことを意味している。
4.はNetscapeの最新版(8.1英語版)がHTML表示プログラム(HTMLレンタリングエンジン)にGeckoエンジンとIEコンポーネントブラウザを切り替えて併用できるようになったことと関係している。IEコンポーネントはWindows以外では動作しないので当然Windows版しか出せない。したがって、切替機能が搭載されている限りMac版が更新される事はないだろう。
5.はNetscapeの最新版(8.1英語版)での話だが、Netscape8.1はFirefoxのソースコードをベースとしている関係から、Firefoxでセキュリティ周りの修正がなされるとNetscape側でも修正を行う必要が生じる。が、Netscape側でセキュリティ周りの修正が入るのはFirefox側の修正よりもかなり後になってからの事が多い。8.1が出てからFirefox側でも何度かバージョンアップが行われているが、その間(約半年間)Netscapeは一度も更新されていない、といった事実も見ておく必要があるだろう。
6.はFirefoxやOperaと比較した場合の話。過去に使用してみた時の印象としてはNetscape 7.1日本語版もNetscape 8.1のいずれもFirefoxやOperaより明らかに動きが重い。インストール用プログラム(バイナリ形式)のサイズ自体も大きい。
7.はブログなどを持っている人であれば、アクセスログを確認してみるとよくわかる。ブラウザシェアを報じるニュースでも確認できる。調査によっては既に1%を切っているなど、Netscapeのユーザー数は減少の一途を辿っている。対するFirefoxの世界シェアは15%を越えている(国によってはドイツのように40%ほどになっているところもある)*2。
8.は設定やトラブルの情報をGoogleなどで検索した時に如実に感じる。ユーザーによる公開情報・公式情報のいずれも少ない。もしくは情報が古い。ユーザーシェア割合を考えれば、情報密度の低さは当然といえる。
9.は先日ニュースにもなっている*3が、NetscapeのサイトがリニューアルしてDiggのようなユーザー参加型ニュースサイトに変更されている。ビジネスモデル自体がDiggと同じ方向になるのであれば、ブラウザに力が入らなくなるのは当然であろう*4。
10.は1から9までの状況を考えると当然の結論である。
10.は第二次ブラウザ戦争での動向と関連するが、Mozilla Firefoxが市場で増加するにつれて、Netscapeと入れ替わる形で*5、推奨ブラウザとしてFirefoxが明記される動きが散見されるようになってきている*6。
無論、他のブラウザに乗り換えることが困難な環境も存在する。例えばMacOS9以前は他の最新ブラウザ(FirefoxやOperaなど)が対応していないし、Windows95/98/Meは既にMSもサポート終了となってしまっている。サポートが終了していてセキュリティフィックスも提供されないようなOS環境は、まともなブラウジング環境としては使えないと思ってよいだろう。その場合はOSを載せかえるなり、PCを乗り換えるなりする必要が生じる。
またオンライントレードなど、IEとNetscapeでしか使えないようなサイトを利用している場合、他ブラウザに乗り換えることはそれなりの手間やリスクを伴うこともある。サイト運営側がIEとNetscape以外のブラウザを意図的に排除していたり、上手くサービスが利用できないこともあるかもしれない。ただ、実際にはFirefoxで問題なく使えているという報告も多いので*7、Firefoxで使えるサイトが増えてきていることは間違いない。
上記の状況を勘案して、もしメリットよりもデメリットが多いのであれば、他のブラウザに積極的に乗り換えていった方がよいだろう。そしておそらくはほとんどの人にとって、セキュリティ周りのアップデートが続けられているMozilla FirefoxやOperaなどに乗り換えることは意味があることのはずだ。
知っている人にとってはいまさら感の漂う内容かもしれないが、知らない人にとっては気がつかないままやり過ごしてしまう内容かもしれない。だが、考えてみる意味はあるだろう、そのままNetscapeを使い続けるべきかどうか、を。
*1:理由に帰結を入れるのはまずいので内容を入れ替え
*2:Usage share of web browsers - Wikipedia, the free encyclopedia
*3:diggを超えられるか--Netscape.comがユーザー参加型ニュースサイトにリニューアル - CNET Japan
*4:【コラム】シリコンバレー101 第182回 Digg 3.0対Netscape.com、サービスクローン騒動の結末は…… (MYCOMジャーナル)
*5:NetscapeもFirefoxもGeckoレンタリングエンジンを使用している関係から、FirefoxであればNetscape向けのコンテンツが使える例が多いため。